
月刊 『食品工場長』(日本食糧新聞社)で、2009年9月号から連載を担当している 『工場を元気にする自主保全・現場改善のポイント』 の記事概要をお知らせします。 (詳細の記事内容は、誌面にてご確認ください)
「エフ付け・エフ取り」を通じて不具合の復元が進むと、次はその状態を維持するために、異常が起きてもすぐに発見できる取り組みが大切になります。今回は、管理すべきポイントが、正常なのか異常なのか、誰でも明確に判断できるツールとして、「目で見る管理」を紹介します。
■ 目で見る管理とは
目で見る管理とは、「誰もが、管理すべき対象物の異常を短時間で、正確に発見できるようにする仕組み」のことをいいます。
ここでの「誰もが」とは、職場を熟知する担当者だけでなく、第三者が見ても分かることがポイントです。また「短時間で」とは、正常・異常を思考せず、反射的に正しい判断ができるようにすることです。
目で見る管理の対象は幅広く、さまざまな現場管理に活用できます。(右図) 自主保全の中では、清掃・給油・点検・正しい運転操作などに特に有効です。
■ 実施ポイント① 管理対象の発掘(明確化)
管理対象の発掘のコツは、弱点(劣化)を知ることです。そのためには「エフ付け・エフ取り」を行い、設備の弱点(不具合)を徹底的に洗い出すことが第一歩となります。不具合が残っている状態では、管理対象が異常として見えず、発掘されない可能性があるからです。
■ 実施のポイント② 管理対象の見える化 (可視化)
管理対象が明確になったら、手間をかけずに短時間で管理できるようにしたいものです。しかし、目で見る管理の対象は、設備の内側・カバーの中などの見えない場所や、高い低いといった見づらい所にある場合が多く、現状のままでは困難です。
こういった管理対象を、点検窓やシースルーにする「透明化」、位置変更などで見えるようにする「視覚化」を使い改善します。ただし、管理対象を隠しているカバー本来の目的も忘れてはいけません。特に労働災害や、製品事故につながる異物混入には注意が必要です。
■ 実施のポイント③ 管理対象の分かる化(色彩化)
管理対象が見えるようになっても、正常・異常が分かるようになったとはいえません。そこで、誰でも同じ判定ができるように曖昧さをなくした正常・異常の線引き、すなわち判定の定量化(基準化)を実施します。
次に、誤判断を起こさない「分かる化」を実施します。「人はエラーをする動物」ともいわれ、記憶する・読む・調べる・照合するという行為は誤判断を起こしやすいものです。
「分かる化」の方法は、ひと目見たパターンやイメージで判断できる色彩の活用が有効です。右の図は正常・異常・危険の3区分に色彩化したゲージの「目で見る管理」例です。
最後に、「目で見る管理」レベルアップの4段階の考え方を下図に示します。目で見る管理は、異常を人に気付かせる仕組みです。異常が分かっても人が処置を適切に行わなければ、故障・不良が発生してしまいます。目で見る管理が絵に描いた餅にならないよう、「自分の職場(設備)は自分で守る」意識の高いオペレーターの育成にも力を入れていただきたいと思います。