
毎日の生活に食事、入浴、睡眠は欠かせません。これらを怠ると体調の異変につながります。同様に、設備を正常な状態に保つ(設備の劣化を防ぐ)のに不可欠なことがあります。「清掃・給油・増締め」で、あわせて設備維持の基本条件といいます。これらをやりやすく守りやすく整備することで、人為的な劣化(強制劣化)を防ぐのです。設備はスイッチを入れたら、そのまま正常な状態で動き続けるものではありません。人の健康と同じく日頃のケアが大切です。
※本記事は、「TPMエイジ」2008年4月~翌3月連載の『マンガで学ぶTPM・基礎編』 を再構成したものです。
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ここがポイント!
● 清掃ってなに?
清掃とは、ゴミ・汚れを排除して、強制劣化の原因となる「ゆるみ」「亀裂」「ガタ」「油切れ」などの潜在欠陥を顕在化させることです。清掃が「基本条件」の1 つに入っているのは、それだけ清掃が不十分なために起こるトラブルが多いということです。
単に設備をきれいにするだけでなく「清掃は点検なり」という意識を持ち、清掃しながら五感を使って点検し、設備の異常や不具合を摘出してください。
● 給油ってなに?
給油とは、機械などに油を差すことです。給油をおろそかにすると、焼付きなどの突発故障の直接原因になるのはもちろんのこと、摩耗や温度上昇などを引き起こして設備の劣化を早めます。
また、その影響は設備全体に広がり、いろいろな故障の原因にもなります。給油が不完全ということは、設備への関心の薄さや、知識・管理体制の不十分さの現れとも取れます。
● 増締めってなに?
ボルト・ナットのゆるみは設備に大きな影響を及ぼします。たった1本のボルトのゆるみが機械の振動を大きくして、その振動が他のボルトのゆるみを誘い、「振動が振動を呼ぶ」「ガタがガタを呼ぶ」というように劣化を波及させ、知らないうちに非常にやっかいな故障の原因をつくり出していくのです。
そこで、増締めが必要になります。増締めは、単に強く締めるというものではありません。ゆるんでいるボルトに応じた適切な締付け力で戻すことが大切です。
● 守れる条件を整備する
清掃・点検・給油の必要性は理解できても、なかなか現場で徹底できないケースがよく見られます。そうした場合、サークルリーダーや管理者は、以下のような条件を整えるとよいでしょう。
・守るべき事柄と方法を明確にすること
・守らなければならない理由(Why)をよく理解させること
(なぜ守らなければならないか。守らないとどうなるか)
・守れるだけの能力を身につけさせること
・守れるだけの環境(たとえば時間)を整えること
【コラム】強制劣化と自然劣化
基本条件整備の目的は、強制劣化を防ぐことにあります。では、この強制劣化とはどんな現象を指すのでしょうか。強制劣化とは、たとえば「給油すべきところに給油しない」「給油量が足りない」「給油の周期が長すぎる」など、当然やるべきことをやっていないために、人為的に進行してしまう劣化のことを言います。
その一方、設備を正しく使っていても、時間とともに物理的に劣化して、初期の性能が低下することを自然劣化といいます。自然劣化を放置しておくと、それが成長して強制劣化につながる場合もあるので注意が必要です。
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